吉岡 正樹
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吉岡 正樹

庭師。アーボリスト。樹木医。木工家。京都の某大学の美術科教育木工芸専攻を卒業。在学中にヒッチハイク(通算200台以上)で乗ったjica職員の「木工だったら受けてみなよ」の一言をきっかけに、国際ボランティアの木工教員として西アフリカ、サハラ砂漠の最貧国ニジェール共和国に赴任。草木がほとんど生えていない国の職業訓練校にて、小学校をドロップアウトした子どもたちに木工を指導する。数々の想像を超える体験とともに、木工と気候の関係も痛感。帰国後、(株)京都指物にて家具製作会社に就職するも、海外産の木材で高級家具を作ることに強い違和感を覚える。その後、京都幾何工房に住み込み、木漆工芸家、建田良策氏に師事。おが屑の入ったコーヒーと漆の着いた服で過ごす。修行中にアルバイトで庭師を経験したことで、生きている樹木に関わることの喜びを体感する。思い切って主軸を庭師に移し、作庭家、古川三盛氏に師事。奈良に移り住み、奈良、京都の寺院や古民家、はたまた中国での作庭、管理業務など幅広く庭師としての経験を積む。樹木を美的対象物として見る視点や美的剪定スキルを習得。茶道庸軒流を嗜む。さらに樹木について本質から学びたいと考え、長野県へ移住。(株)アーバンフォレストリーにて巨木の管理業務や支障木の特殊伐採に携わる。樹木医資格を取得し、樹木を生態学的に捉える視点や力学的、樹木医学的な剪定スキルを習得する。またグリーンウッドワーク指導者養成講座を受講し、伐採木の利活用を通じて樹木を体験する可能性を見出す。…と気がつけば木から木へ…渡り鳥のようになっていました。現在は、「地域という庭」をキーワードに、揖保川流域を庭として捉え、グリーンウッドワーク講座や伐採木での作品制作、樹木メンテナンスや庭園管理など幅広く活動中。1981年生まれ。兵庫県出身。宍粟市在住。

作業イメージ

家具を作る時も、庭を造るときも、ツリーワークのときも、目指すべきかたちのイメージがあり、それに向かうための自分の動きや仲間の動きのイメージがある。 「イメージがないのか⁉︎えぇ⁉︎」 庭の師匠、古川三盛氏が現場でよく弟子に叫んでいた、今でも耳に残っている言葉だ。 彼の言うイメージとは、ざっくり言うと作業の見通しを持っているのか、あるいは目的は定まっているか、という意味である。 現場では、イメージそ […]

個展「棒と容器 2022」

2022年の暮れに、宍粟市のギャラリー田疇さんで個展を開催しました。 自分で伐った樹木での作品制作の展示や、 ギャラリー田疇の裏山から伐り出したヒノキで会期中にゴッホ椅子を公開制作など、 物を見るだけにとどまらないような展示にしたいというのが今回の狙い。また、宍粟市で薬膳茶を主に活動されているサササさんに、僕の活動しているフィールド(土場)にてお茶になりそうなネタを採取してもらい、会期中に提供して […]

ご報告。独立します。

駒ヶ根に移り住んでから2年が経とうとしています。 このたび、株式会社アーバンフォレストリーを退職し、この4月から独立することになりました。 アーバンフォレストリーで働かせていただいた2年間、代表の吉見社長をはじめ、先輩方と一緒にお仕事をさせていただけたことは、私にとって貴重な財産でもあり、今後に生かせる糧となりました。 ツリーワークの世界では、まだまだ未熟な若輩者ですが、こころよく送り出していただ […]

枯れ枝を製材しました。

先日、持ち込んだ、この枯れ枝。 こんな感じに 挽き上がりました。ほとんど狂いがなかったので、50cmほどの直径の割には大小合わせて8枚にもなりました。見てください、この美しい杢目!変わった杢こそ出なかったものの、板目でこの細かさは見たことがありません!そして、入り節や木目の捻れや寄れなど、枯れ枝が、経験したことが、その身体に刻み込まれており、長い歴史を感じざるを得ません。 使用するのにも相当なプレ […]

アーボリカルチャー研修会 @駒ヶ根キャンプセンターby(株)アーバンフォレストリー
なぜYouTubeではなく、講習会なのか?

結論から言います。 受けるべし なぜのか、僕なりに説明をしていきますので、お付き合いください。 4日から6日にかけて弊社アーバンフォレストリーが主催するロープクライミングテクニック講習が行われました。 弊社の講習会で技術を習得された方の人数はこの7年で延べ1000人を越えるとか。さらに掘り下げてみると、弊社の代表取締役である吉見次郎氏(以下jiro氏)が教えた人数は1500人にも登るそうです。 今 […]

浜松市H神社にて

とある材木屋さんからの依頼で、境内の道路際に生えているクスノキとイチイガシを2日かけて伐採しました。 今回、僕が担当したのはイチイガシの大枝を下ろしたのと、イチイガシの伐倒でした。 10mほどまで切り下げたものを、牽引しながらの伐倒だったのでそう難しくはなかった。 ただ、まあ自身最大直径である80cmくらいだったので、受け口の方向やら、ツルの幅やら、いろいろとアドバイスいただきました。 ツルの幅が […]

伊那市の神社にて枝下ろし 2

昨日の続きです。今日は道路に大きく張り出したウワミズザクラの枝を剪定しました。 剪定した枝はなんと薪にするとのこと。あまりにももったいないと思い、無理を言って2mほど分けてもらいました。 帰りに製材所に持ち込み、挽いてもらうことに。板になるのが楽しみだ。

どうやって登るの?特殊伐採で伊那市の神社にて枯れ枝おろし

まだまだ暑い日が続きます。今日の依頼は、社殿のにかかったケヤキの大きな枯れ枝を取り除いてほしい、というものでした。 なかなか絵になるケヤキの枝です。 ですが、先端から真ん中あたりまで白色辺材腐朽により枯れ下がっています。このまま放っておくと落下する危険があるので、枝の根元で切ることに。 どうやって登るの? まず、スローラインという直径2mmほどのヒモと鉛のオモリのついた分銅のようなものを20mほど […]

2020年後半戦、始動しました。

二週間の夏休みが終わり、下半期の仕事が始まりました。今年の夏はコロナ渦の影響で、実家には帰らず、自宅で溜まった原木をひたすら加工し木工漬けの毎日でした。 自ら伐採した木でのものづくりをする。これほど理にかなった腑に落ちる制作スタイルはないと思えました。今後のライフワークに取り入れていきたいと強く思います。そしてゆくゆくはものづくりと樹木の保護活動を連動させて行けるような形を目指します! クリの原木 […]

樹木の美しさについて

さて、いきなり個人的な感想ですが、僕は常々、樹木って美しいなぁと感じています。でその美しさとはどういうところにあるのか、について考えてみました。 樹木に関わるプロである以上、しかもそれを美的対象として扱う以上は、ちゃんと説明できないとなぁと、日頃から考えていました。 裏を返せば、これが明確にできると「樹木剪定の美」なんぞについても、はっきりと説明できるようになるのではなかろうかと。 木の美しさとい […]